—— 私たちはいつから夜に追われる民族になったのか
日本は今、世界で最も眠れない国といわれています。
しかし、この背景には江戸から令和まで続く「日本人と夜の関係」が深く影響しています。
実は、日本人が夜に弱いのではなく、
夜にこそ引き寄せられてしまう文化と習慣を、長い歴史の中でつくってしまったのです。
Contents
江戸の夜:人が集まり、灯りがともり、眠りが短くなる
江戸の夜は今より暗いと思われがちですが、実は逆です。
歌舞伎・寄席・風呂屋・屋台、そして提灯や行灯が灯る通りには、深夜まで人が流れていました。
・昼は肉体労働、夜は娯楽
・「宵越しの銭は持たない」夜型経済
・季節変化に合わせた分割睡眠が当たり前
今で言う「夜活」のルーツがここにあります。
江戸の人々は、すでに眠らない街を楽しんでいたのです。
明治〜大正:近代化は眠らせない社会をつくった
明治になると、文明開化によって
電気・電話・工場・鉄道が普及し、夜はさらに明るくなります。
・工場労働は24時間
・夜の情報量が爆発的に増える
・規律ある社会で朝は早いまま
夜は刺激が増え、朝は変わらず早い。
ここで睡眠の量が決定的に削られはじめます。
昭和:高度経済成長が夜を奪い、昼を奪い、日本は無理をした
昭和の成長期は、日本人の睡眠文化が大きく壊れ始めた時代です。
・終電文化
・深夜残業と接待
・深夜テレビの普及
・家族より会社が優先される時代
この頃に生まれたのが、
「寝る間も惜しんで働く」が美徳とされる価値観。
ここから日本人の本当の夜更かし問題が加速します。
令和:眠る時間はあるのに、脳が眠れない時代へ
そして令和。
いま私たちが直面しているのは、
「時間」ではなく「脳の休まらなさ」というまったく新しい問題です。
・ブルーライト
・SNSの無限スクロール
・情報過多で常に比較モード
・ベッドの上で仕事する文化
これはもう「生活リズム」ではなく脳の問題。
眠れないのではなく、
脳がずっと起き続けるように設計された時代なのです。
だから現代日本人には夜の静けさを戻す習慣が必要
江戸→明治→昭和→令和。
眠れない理由は変わり続けましたが、
いま求められているのは「自分で静けさを取り戻す技術」です。
