「生理前になるとイライラが止まらない」「更年期で眠れない」──女性なら一度は経験するホルモンの乱れ。
最近、このような悩みに対して大麻由来の成分(カンナビノイド)が注目され始めています。
今回は、最新研究と科学的視点から女性ホルモンと大麻の関係を見ていきましょう。
ホルモンと「内なる大麻」のシステム
人間の体には、「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」と呼ばれる調整機能があります。
ECSは脳や神経だけでなく、子宮・卵巣など女性生殖器にも存在しており、月経周期やホルモン分泌に関与していると報告されています【Frontiers in Neuroscience, 2018】。
さらに動物実験では、エストロゲンの濃度がECSの働きを変えることも確認されています。つまり女性ホルモンとカンナビノイドは、密接に関わり合っているのです。
月経周期とカンナビノイド
マウス実験では、THCを投与すると排卵が遅れる・黄体形成が抑制されるといった影響が観察されています【PMC4918871】。
ヒトにおける知見はまだ少ないものの、カンナビノイドがLH(黄体形成ホルモン)やGnRH(性腺刺激ホルモン)分泌に影響する可能性が示唆されています。
「周期に影響するかもしれない」というのは、研究的にも非常に興味深いポイントです。
更年期とCBDの研究
更年期はエストロゲン低下により、不眠・イライラ・関節痛などが起こりやすくなります。
ここで注目されるのがCBDやCBNです。
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マウス研究では、CBD投与で骨密度が改善し、炎症が抑えられる結果が報告されています【Frontiers in Pharmacology, 2022】。
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さらに小規模な臨床試験(更年期女性2名)では、12週間のCBD使用で骨代謝マーカーに変化が見られたと報告されています【PubMed 37721991】。
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海外調査では、多くの更年期女性が「不眠や気分の不安定さに対処するためCBDを利用している」と回答しています【Menopause Journal, 2022】。
ただし、これらはまだ初期段階の研究であり、「更年期障害の治療薬」として認められているわけではありません。
合法カンナビノイドという選択肢
大麻(THC)は多くの国で規制対象ですが、CBDやCBNなどの合法カンナビノイドは、日本でも安心して利用できます。
リラックスや睡眠サポートに役立つ可能性があり、「日常のリカバリーアイテム」としてアスリートや一般ユーザーの間にも広がりつつあるのです。
つまり、研究が進む海外の流れを、合法成分を通じて“先取り”することができるわけです。
未来への展望
今後はAIやバイオテクノロジーの発展によって、「女性のライフステージに合わせたカスタム・カンナビノイド」が登場するかもしれません。
月経や更年期というテーマは、人類全体で避けられない課題。
そこに大麻サイエンスがどんな答えを出すのか──未来の研究に期待が集まります。